· 

私の個別避難計画5 避難経路の安全確認

イラスト:illustAC

2022年6月28日に2022年1月1日現在の「個別避難計画」の策定率が公表されました

 「避難行動要支援者名簿」の作成状況は、1740団体(市区町村)(※)のうち、作成済団体は1739団体で、策定率は99.9%に上ります(※避難指示により全町避難が続いている福島県双葉町を除く市区町村)。なお、令和4年4月1日では、残りの1団体は作成済みとなり、作成済団体は1740 団体で、策定率は100%となりました。

 しかし、全国の1741団体のうち、「個別避難計画」を全部策定した団体の数は137団体で、策定率は7.9%にとどまります。

(図をクリックすると拡大表示されます。)

(総務省消防庁の資料を基に作成)

全国の「個別避難計画」の策定状況

避難経路の安全確認

 今回は、個別避難計画に基づいて、避難経路の安全確認を行いたいと思います。

 下に示すのが、森の里から避難所である茎崎交流センターまでの避難経路です。その道のりは、Aルート経由で約1.1km、Bルート経由で約1.2kmあります。

(図をクリックすると拡大表示されます。)

私の避難経路

私が使用している自走式車いす

 私が使用している自走式車いすです。オーエックスエンジニアリングのFusionです。

 以下に、各地点における注意点をまとめていきます。実施日は2022年4月20日です。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点①

地点①

 この交差点は一時停止の後、直進します。交通量が多く、横断には注意が必要です。バスターミナルもあるため、バスや乗客の動きにも気を付けなければなりません。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点②

地点②

 高台に上がる大変急な上り坂です。傾斜は約5°で、自走で登れる限界です。腕のしっかりした人や、足を床につけることができる人でないと自走では登れません。介助が必要な上り坂です。なお、バリアフリー法で定められている建築物(屋内)の勾配は「12分の1(4.76°)を超えないこと」となっています。車いすマークがある公共の施設、病院などのスロープは、ほとんどこの勾配におさまっています。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点③

地点③

 大変急な上り坂です。坂の周辺の急傾斜地は、崖崩れの危険性があるため土砂災害(特別)警戒区域に指定されています。本来ならば、このような場所を避けて避難すべきですが、森の里から出るためには避けることができません。「崖にひび割れができる」「小石がパラパラと落ちてくる」などの崖崩れの前兆現象に注意が必要です。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点④

地点④

 見通しの悪い(特に右側)交差点です。交通量はさほど多くはありませんが、自転車通学する中学生がよく通ります。一時停止の表示はありませんが、一旦停止します。

 まずは直進して、Aルートを進んでみます。Aルートは、私が良く通る道で、避難所である茎崎交流センターへの最短ルートです。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点④-A

(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点④-A

地点④-A

 Aルートは道幅が狭く、両側に塀があります。豪雨災害時には問題はありません。地震災害時には、塀を避けるのが基本なので、少し遠回りになりますが、Bルートで避難します。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点⑤

地点⑤

 Aルートを進んだ場合、この交差点では一時停止の後、横断し右折します。交通量が多く、横断には注意が必要です。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点④

地点④

 

 それでは、地点④の交差点を左に曲がり、Bルートを進んでみます。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点④-B

(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点④-B

地点④-B 

 Bルートの右側には塀がありますが、左側に塀はありません。塀を避けて、道の左側を通行します。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点⑥

地点⑥

 Bルートを進んだ場合、この交差点では一時停止の後、横断し右折します。交通量が多く、横断には注意が必要です。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点⑦

地点⑦

 指定避難所の茎崎中学校です。体育館は二階で、一階は生徒たちの駐輪場です。体育館が避難所になった場合、階段しかないので、車いすでは移動が困難です。校舎の一階にバリアフリートイレがあります。

 2020年バリアフリー法が改正され、避難所になる公立の小・中学校についても、バリアフリー化が義務付けされました。つくば市立の小学校29校、中学校12校及び義務教育学校4校におけるバリアフリー化の整備状況は以下の通りです。

(表をクリックすると拡大表示されます。)

つくば市における公立の小・中学校・義務教育学校のバリアフリー整備状況


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点⑧

地点⑧

 狭い道の十字路です。見落としてしまいそうですが、四方向とも一時停止です。一時停止後、直進します。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点⑨-A

地点⑨-A

 Aルートから見た地点⑨の交差点です。見通しが悪いので、注意して横断します。一時停止後、直進します。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点⑨-B

地点⑨-B

 Bルートから見た地点⑨の交差点です。一時停止の表示はありませんが、見通しが悪いので、一時停止後、左折します。


(画像をクリックすると拡大表示されます。)

地点⑩

地点⑩

 指定避難所の茎崎交流センターに到着です。右が茎崎交流センター、左が市民ホールくきざきで、つながっています。A・Bどちらのルートでも、地点①から35分程度で到着します。


バリアフリー情報


 茎崎交流センターは二階建てですが、エレベーターは無いので、車いすでは二階へは行けません。

(画像をクリックすると拡大表示されます。)

指定避難所・茎崎交流センター一階のバリアフリートイレ

 ウォシュレットのボタンには、点字が表記されています。

(画像をクリックすると拡大表示されます。)

指定避難所・茎崎交流センター一階のおむつ交換・授乳室

 茎崎交流センターの一階には、おむつ交換・授乳室があります。


 また、茎崎交流センターに隣接する市民ホールくきざきの一階にもバリアフリートイレがあります(6月5日現在、故障中)。

(画像をクリックすると拡大表示されます。)

市民ホールくきざき一階のバリアフリートイレ

 ウォシュレットのボタンには、点字が表記されています。


 そして、茎崎交流センターの近くの茎崎窓口センターとローソンにも、バリアフリートイレがあります。

(画像をクリックすると拡大表示されます。)

茎崎窓口センター一階のバリアフリートイレ

 ウォシュレットのボタンには、点字が表記されています。大人も使える多目的シートが設置されています。

(画像をクリックすると拡大表示されます。)

ローソンつくば小茎店のバリアフリートイレ

 ウォシュレットのボタンには、点字が表記されています。ローソンは24時間営業です。


大切なのは早めの避難

 「個別避難計画」が完成しました。しかし、避難しなければ命は守れません。ご高齢の方・障がいをお持ちの方は「警戒レベル3・高齢者等避難」が発令されたら、避難開始です。

(表をクリックすると拡大表示されます。)

(内閣府の資料に加筆)

警戒レベルと避難情報

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。そして、つくば市役所の皆様、小中学校の先生方、お世話になりました。皆様、今後とも、よろしくお願いいたします。